コラム

イラスト:鈴木ハルナ


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PostHeaderIcon 相談員コラム…両親が亡くなり、いよいよ自分の老後が始まる


 このコラムで何度も紹介してきた父と母があいついで亡くなった。114日と25日で、父は享年94歳、母は90歳だった。18歳で家を出てから、別々に暮らしてきたので、未だに実感がわかない。遠距離介護の期間はほぼ8年だった。習い性でつい「電話しなくっちゃ」とか「食欲ないから何か持っていこう」とか思ってしまう。目の前には今度行くとき持って行こうと買っておいた「四万十川ののりの佃煮」と「蕗味噌」のビンが転がっているし、スマホの留守電には父親の「いまどこだ、気をつけて来い!」(親の所に行く日は朝から何度も電話がかかって来た)という声が残っている。号泣はしないがこんな些細なことで「もういないんだ」と突きつけられると静かな喪失感でジワッと涙が出る。

 いろんな人の介護話を聞いたり、同居介護の本を読んだりしたが、私の遠距離介護経験なんて終わってみれば、本当に介護の世界では幕下どころか序の口で終わった感じだ。それでも、人の老後や終末期、そして死を、身近に経験したことは得がたい体験だった。介護は美談だけでも、苦しいだけでもない。正直に言うと介護の真最中は「いつまで続くんだろう」とブラックな気持ちになったこともあった。そんな感情も含めた私の遠距離介護だった。

 今まで私の中では「老後」と言うと「親の老後」つまり子供としてどんな「介護」をするかという問題だった。それが親の老後がとうとう終焉を迎え、親という壁がなくなり、いよいよ自分自身が老後という荒野に一人立つ感じがする。でも、この遠距離介護経験が、これからの自分の老後の羅針盤になってくれるだろう。

 今は「もう行かなくていいんだ」とか「あれで良かったのか」とか、子供の頃の事がフワフワと次から次へ出てきてとてもまとまらないし、「もう、何してもいいんだ」という状況に少し戸惑っている。でもいつかきっと両親の最後を対象化して文章にするつもりなので、少し時間をいただきたい。

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