コラム

イラスト:鈴木ハルナ


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PostHeaderIcon 相談員コラム… 消える相談者


 
最近「直接面談相談」で申し込みして頂いた相談者がいつの間にか消えてしまう事が数件続いた。CFPになってFP相談を始めてもう9年経つが、始めてのことでちょっと困っている。基本的に相談者は見ず知らずの方だ。見ず知らずの私にお金の相談をしようと思っているのだろうから相当不安だったり、困っていたりするのだろう。CFPという資格と私を信用して相談してくれるのだから誠意を持ってお役に立ちたいと思っている。でも相談をもちかけられて『まず「相談シート」(年収などのお金の基本データや相談内容)を書いて下さい。』とお願いするといきなり連絡が無くなるのだ。問題はたぶん「相談シート」だ。

  FP相談は「相談シート」を記入してもらって対策を練るというのがFP協会も推奨する方法だ。もちろん無料相談(保険の勧誘や銀行の投信、住宅ローンの窓口)ではその場でFPソフトに入力してアドバイスするようだが、収入や支出、加入している保険の状況などとてもその場で相談者がいきなり口頭で言えるものではない。適当に答えた返答は適当な答えしか導き出せない。キチンと「相談シート」を書いてもらわないとFP相談はできないというのが私のスタンスだった。

 ただ「相談シート」の内容は年収や家計費、借金、年金額、家族関係など実にセンシティブな内容である。いきなり見ず知らずの人間に開示するのは誰だってためらわれる。でもお金の相談は自分のお金のことを明らかにしてもらわないと相談にのれない。もちろんこうした重要な情報を相談以外に使うことは絶対しない。HPに「個人情報保護についての指針」を提示し、希望者には「
個人情報保護誓約書」もお出ししている。そして私はFP相談を始めたときからメール相談に限り仮名、匿名でもいいことにした。世の中にはお金の情報を狙っている輩があまりに多い。お金の事は用心に越したことは無いと思うし、匿名なら相談しやすいのではと考えた。私は保険や金融商品の売り込みは一切しない。だから、個人が特定できる名前や住所などの情報はいらないし、もしわかったとしても相談が一段落すれば紙ベースの資料はすべて破棄する。それより、情報を隠される方が困るのだ。

 私のやっている有料FP相談の料金のしくみというのは単純で、基本的に時給計算している。すべての相談で事前に「相談シート」を書いてもらう。その上で、「メール相談ライト」の場合は相談事にメールで回答し短時間で済むので安価。「メール相談スタンダード」はキャッシュフロー表を作成してご提案書を作成する。キャッシュフロー表はかなり綿密に検討するし、ご提案書を打ち込むので時間がかかり、それなりの金額になる。そして「直接面談による相談」の場合は、事前に準備をしてキャッシュフロー表を作成しのぞむ。だいたい2時間かけて一回の面談で済ませる。聞き取りしてもう一回というのは非効率だし費用の点からもそれが相談者の為になると思い込んでいたが、今回の消える相談者のことを考えるとそうでもないかもしれない。

 「相談シート」に書けるということは自分の問題を整理でき、客観的にとらえられているということだ。ここまでできれば確かに解決策を練りやすい。でも、本当は整理も客観視もできない混沌とした中で困っている人の方が多いのかもしれない。「相談シート」が書けないから相談を受けられないというのは全く本末転倒な話だ。「相談シート」に詳しく書いてもらえばより正確なご提案はできる。でも、取りあえず最後の「相談内容」の欄だけ箇条書きで書いて頂ければいい。「相談シート」に抵抗感があるならメールで「相談内容」を教えてほしい。それも無理なら「直接面談相談」で「取りあえず会って相談したい」というのも大丈夫。せっかく私に相談しようと思って下さった方が途中でいなくなられると、何か失礼があったのではとくよくよ悩む。たぶん「相談シート」がネックだと思うのだが、良ければ理由だけでも教えてほしい。

 

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