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PostHeaderIcon 相談員コラム…「お金に疲れる」ということ

 本当はFPとしてはあまり大きな声で言ってはいけないと思うのだが「お金の事を考えたくない」と思うことありませんか? 私はある。

 どんな会社でも“売上はいつも順風”とはいかない。私も会社で財務・経理を担当していたころ、何度か危ういことがあった。こうなると一日中「資金繰り表」をにらみ、月末の支払いで頭がいっぱいになる。たぶん、個人事業主や小さい会社の経営者、経理に携わった人は経験あると思うが、本当に資金繰りが大変になると夜も寝られなくなる。

 当時は「月末のお金が足りない」「支払えない、どうしよう!」という夢をよく見た。がばっと目が覚めると、あれこれ考えて、もう寝られない。こうなるとお金のことが頭から離れない。何をしていても頭の片隅にいつもお金のことがこびり付く。気が小さいと言えばその通りだが今思い出しても冷や汗ものだ。でも「石橋をたたいて壊す」と言われるくらい慎重だったので、たいていどうにかできて、給与支払いも外注先への支払いも出来た。うまくいって当たり前なので、誰もほめてくれないが、月末に無事支払いが済むとホッとして、銀行のソファでそのまま1時間くらいボーっとしていたこともある。こんな時は「もうお金のことは考えたくない」と思った。

 今は自営業なので、年収は大幅にダウンしたが、本当に気軽なものだ。でも、FPになって思うことは、別に商売しなくても、個人のお金だって、同じ悩みがあるということだ。どんなに深刻でも、些細なことでも、金額が大きくても小さくても「お金の心配」が心を占めてしまうと、毎日の暮らしが楽しめなくなる。これが「お金に疲れる」ということだ。

 FPの仕事はお金持ちの「もっといい運用はないかね。」という要求に応えることだと思われがちだが、本当はこうした「お金の疲れ」をちょっとでも少なくする手助けの仕事だと思っている。お金の悩みを整理し、解決策を一緒に考えることだ。

 それに最近思うのだが、お金のことは健康とよく似ている。少しでも悪化するとすごく心配だし、きちんとしなくっちゃいけないと思うけど、それが目的になってしまうと毎日の生活がつまらなくなる。摂生と節約だけが“生き甲斐”という人生が楽しいだろうか。特に老後になってから、贅沢はしたいとは思わないが、お金の心配で生活が楽しめない「お金に疲れた生活」はいやだ。水や空気や健康と同じく、お金のこともくよくよ考えない=「お金の心配のない暮らし」の第一歩はお金のことから逃げないで、きちんと自分のお金に向き合うことだ。FPはそうした個人の伴走者になれればいいなと思う。

※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。